全校集会より

 昨日行われた全校集会で、以前読んだ文書の中から「お天道様は見ているよ」という話を紹介しました。「お天道様」という言葉を知らない生徒が多く、少し付け足したり、はしょったりしながら話しました。

 昔の人は子供が悪いことをした時などに「どんなごまかしをしたって、お天道様は見ているんだぞ」と言って叱りました。「お天道様」というのは太陽のことなのですが、昔の人は空にある太陽を神様のように思っていましたから、このお天道様というのは、何でも知っている神様のようなものかもしれませんね。だれも見ていないと思って食べたお菓子のくずを道路に捨ててしまう。だれもみていないからお友達の持ち物を隠してしまう。だれも見ていないから壊したものをそのままにして帰ってしまう。そんなことがあるかもしれまれせんね。
 確かに誰も見ていませんから、あなたがやったとはわかりません。でも、どんな時でもあなたのやることを見ている人がいますね。わかりますか?お天道様でしょうか?実はもう一人いるんです。それはあなた自身、自分です。
 誰も見ている人がいなくても、あなた自身は自分が悪いことをしたことは知っていますね。自分のやったことが恥ずかしいことだということもわかっています。昔の人はこの何でも知っている自分のことを「お天道様」に例えたのかもしれませんね。
 悪いことをしていて、誰かに見つかって、それをやめたり謝ったりすることはきっと誰にでもできます。でも、一番大切で、一番難しいのは誰も見ていない時、「こんなことをしてみっともないなぁ、恥ずかしいなぁ」と自分で自分の姿を考えて自分を止めることです。「誰も見ていないからやっても大丈夫」と言う弱い心は決してあなたを幸せにしてくれません。例えその時はごまかせても、「あれをやったのは私なんだよなぁ…」という思いはずっとあなたの心に残ってあなたを苦しめてしまうのではないでしょうか?やってはいけないと言われていること、悪いことだとわかっていること、お友達を困らせてしまうこと、そんなことをやってしまいそうになったら、「お天道様は見ているぞ!」と心の中で言ってみてください。そうすれば、自分の弱い心に勝って、あなたは自分のやりかけたことを止められると思います。


2021/05/26 17:00 |