「まもるくんの日」の学習内容2

6月15日(火)
 昨日に引き続き、「小さな町の大きな貢献 住田町の後方支援」について、副読本の文章を紹介します。
-<以下、副読本の紹介です>------------------------
 被災地に力を戦士に活力を
 震災直後から「被災地の力になりたい。」とボランティアが次々と集まり始めました。しかし、陸前高田市の場合、ボランティアの受け入れ先となる陸前高田市社協(社会福祉協議会)の会長・事務局長以下13人が犠牲となり、事務所も被災していました。住田町社協では事務局次長を陸前高田市社協に出向させ、立て直しに協力。3月17日には災害ボランティアセンターを開設できるようになりました。さらに住田町は大股地区公民館をボランティアの宿泊施設として開放、宿泊施設の開設・運営を災害ボランティア自身に委ねました。この施設は後にボランティアの拠点として「住田基地」と呼ばれるようになります。
 「被災地に力を戦士に活力を」は、住田基地のボランティアの人々が掲げたスローガンです。

 木のぬくもりが被災者を癒す
 住田町は、町内に一戸建て木造仮設住宅を建て、被災者に無償で貸し出しました。
 町内産の木材を活かし、町内の製材施設で加工し、伝統的な気仙大工が神社建築に使う「板の落とし込み」技法を応用して短時間で容易に組み立てられるこの住宅は、自衛隊のイラク派遣や四川大地震・ハイチ大地震をヒントにした「組み立ての簡単な木造建物のキット」という発想から生まれ、震災の直前に設計図ができたばかりでした。
 最初の木造仮設住宅の着工は震災発生12日めの3月22日。早期着工・完成のために、建設予算は国や県を当てにせず、町長の専決処分(議会が決定することがらを首長が代わって処理すること)で町予算から支出しました。町議会議員の反応は「やるからには『手抜きした』と言われないものを造れ!」というものだったと言います。
 木造仮設住宅には陸前高田市・大船渡市・釜石市・大槌町から93世帯261人が入居。入居者からは「木のぬくもり、木の香りがありがたい。」にこに来てから熟睡できるようになった。」「一戸建てで隣に音が通らないのがいい。」などの声が聞かれました。
 「一戸建て木造仮設住宅」は、まさに「森林・林業日本一の町づくリ」を掲げる住田町ならではの被災者支援だと言えるでしょう。
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 震災から10年が過ぎました。街並みが戻ってきた今、改めて当時のことを伝えていかなければならないと、思っています。


2021/06/15 17:30 |